【行政書士監修】特定建設業許可とは?取得要件や一般建設業許可との違いを解説!

特定建設業の許可は、大きな工事を請け負う際に無くてはならない許可の一つです。
今回は特定建設業について説明し、どういった工事の時に必要なのか解説します。
許可を取得するための要件や一般建設業との違いを知り、必要に応じて許可を取得しましょう。

監修者プロフィール

  • 行政書士 山口修一
  • 行政書士コン・トラスト

    平成12年10月に開業以来、建設業許可、経営事項審査(経審)の申請をし、行政書士として10,000社近くの建設業者をサポート

特定建設業許可とは


建設業の許可は「一般建設業」と「特定建設業」の2つに区分されており、発注者から直接請け負った1件の建設工事の額によって分けられます。

そのうち、特定建設業の許可は発注者から工事を請け負う際に、下請け代金が税込み4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の場合に必要です。
下請けが数社に分かれている場合、1社あたりの下請け代金が上記を上回らない場合があります。

しかし、元請が下請けに出した総額が4,000万円(建築一式工事なら6,000万円)以上の場合は一般建設業許可ではなく、特定建設業許可が必要になるので注意が必要です。

特定建設業許可を取得すると可能なこと

国土交通省の令和元年度の調査によると、一般建設業許可を取得している業者は449,015業者に対し、特定建設業許可を取得している業者は46,451業者でした。
特定建設業許可は一般建設業許可に対してわずか10分の1程度の取得率であるため、発注側にとっては一般建設業者を探すよりも特定建設業者を探す方が難しいと言えます。

特定建設業の許可があると、大きな工事を請け負えるようになるため幅が広がります。
また、特定建設業者として登録することで発注側にとって安心感に繋がります。

一般建設業との違い

一般建設業は特定建設業の許可よりも、資産や専任技術者の要件が難しくないのが違いの一つです。特定建設許可よりも取得がしやすい代わりに、請け負える工事代金も低くなります。
一般建設業許可を持つ会社が元請になる際、下請けに出す工事代金が税込み総額4千万円未満(建築一式であれば6千万円未満)の場合請負可能であり、一般建設業許可がある下請の場合どんな金額でも無制限で請負が可能です。

特定建設業許可と一般建設業許可の一番特徴的な違いは、工事の元請となる際の請負可能金額が変化するという部分になります。

一方で、500万円未満の工事(建築一式工事の場合は1,500万円未満)の軽微な工事は建設業許可は不要です。

大臣許可と知事許可の違い


大臣許可と知事許可は、営業所の場所と数に違いがあります。
都道府県に対して2つ以上に営業所を設ける場合は国土交通大臣の許可が必要です。

例えば、東京都と埼玉県に営業所(工事に関わる事務所)を構えた場合は大臣許可が必要になります。営業所が一つの場合はその都道府県知事の許可が必要になります。

特定建設業の取得要件について


特定建設業の許可の取得要件は一般建設業の許可よりも厳しい要件があります。
適切な人材や資産の状況について紹介します。

資本金と欠損比率の要件

自己資本(純資産合計)の額が4,000万円以上、資本金は2,000万以上かつ、欠損の額が資本金の20%を越えていないのが資産の要件です。

利益事項全部証明書(商業登記簿)の資本金の欄に書かれた額で資本金を確認し、次の計算式で欠損比率を出します。
「欠損の額(貸借対照表のマイナスの繰越利益剰余金) ÷ 資本金額」の割合を計算し、20%以下になる必要があります。

また、個人の場合は「欠損の額 ÷ 期首資本金額」を計算して割合を出します。

流動比率の要件

流動資産を流動負債で割った割合が75%以上でなければなりません。
つまり、現金を含めた受取手形などの現金化できる資産から、支払い義務のあるものが4分の3を切らなければ要件を満たしています。

経営業務の管理責任者の要件

管理責任者の要件が令和2年に建設業法第7条が以下のように緩和されました。

引用)3.(1)許可基準の見直しについて(建設業法第7条関係)|国土交通省

建設業において、5年以上の経営業務の経験がある者などが管理責任者として挙げられ、2年以上の役員であっても補佐する者によっては要件を満たす場合があります。
その要件は財務や労務管理などの経験が5年以上有する者などが挙げられます。

常勤の役員の証明のため、役員の登記や住民票の登録住所、社会保険の有無についての確認もされますので許可の申請時には書類の用意をしましょう。

専任技術者の要件

建設業法第7条第2号、同法第15条第2号において特定建設許可のための専任技術者の要件が定められています。
1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士といった国家資格の所持者が要件となっており、資格については次のリンクも参考にしてください。

「営業所専任技術者となりうる国家資格者等一覧へ」建設産業・不動産業:許可の要件 – 国土交通省

また、一般建設業の専任技術者の要件を満たした者であり、発注者からの直接請負いの代金が4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的実務経験があれば要件を満たします。
指導監督的実務経験とは、工事現場主任や現場監督者といった技術を持って指導監督をした経験を指します。

誠実性の要件

建設業法第7条第3号において誠実性の要件が定められています。
誠実性とは申請者や役員が請負契約に関して不正・不誠実な行為をすることが無い者を指し、法に触れる行いをしていなければ問題ありません。

欠格要件

建設業法第8条、同法第17条(準用)において欠格要因について定められています。申請書類に不備や虚偽があった場合は特定建設業許可は行われません。
また、欠格要件には14の項目があり、破産者で復権を得ないものや暴力団員等に関わる者が該当します。欠格要因についての詳細は以下の国交省のサイトも参考にしてください。

建設産業・不動産業:許可の要件 – 国土交通省

特定建設許可を取得する流れ


特定建設業許可を取得する流れや取得までの日数や費用について紹介します。

申請書類の用意

特定建設業の許可において申請書類が必要であり、最新の様式の許可申請書に必要事項を明記して添付書類を用意しましょう。
経営業務管理責任者や専任技術者の要件を証明する書面などが必要となります。

申請と費用

大臣許可の場合は本店の所在地を管轄する地方整備局長などに直接提出、知事許可の場合は都道府県知事に提出する必要があります。国土交通省の「許可行政庁一覧表」サイトも参考にしてください。
大臣許可の申請には15万円、知事許可には9万円が必要です。

建設産業・不動産業:許可行政庁一覧表 – 国土交通省

処理までの時間

申請後の処理(許可通知書送付)までの期間は各都道府県によって異なりますが、知事許可の目安は30〜45日です。
また、大臣許可は120日ほどかかり、申請処理までに4ヶ月は見ておかねばならないので注意しましょう。

更新

特定建設業許可を取得した場合、有効期間は5年です。
有効期間以降も許可を必要とする場合は更新の手続きが必要であり、期間満了の60~30日前までに更新しなければいけません。
※各都道府県によって異なり、地域によっては90日前から申請可能など、更新申請が可能な期間が変わります。

許可取得時の申請書や更新時の申請書などが必要になり、更新までの5年度分の決算届の提出も必須なので注意しましょう。

まとめ


特定建設業の許可における取得のメリットから、取得時の要件を紹介しました。
すぐに許可を取りたいという場合でも、必要書類の準備期間や都道府県による処理などで1ヶ月以上の日数が必要となります。
そのため、受注をしたい場合は早めに準備に取り組みましょう。申請条件も細かくあるので念入りに調べておくのがおすすめです。

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