鉄筋コンクリート造とは?耐用年数やRC・SRCとの違いについて解説!

戸建てやマンション、お店やオフィスなどの建物において構造の違いはご存知でしょうか?構造は鉄筋コンクリート造や鉄骨造、家の場合なら木造といった分類があります。
それぞれは建物の階数や広さによって使われる材料が異なります。
構造の違いにはどういった理由があるのか、耐用年数や防火・防音性能などを比較して建築数なども踏まえた説明をします。

RC造、SRC造、S造、木造の建物全般について


建物における構造とは、壁や天井、床を支えるといった骨組みになる部分を指します。
柱や梁を作ってから床・壁・天井、そして屋根などが作られます。
構造の違いにより建物の頑丈さや柔軟性がかわり、耐震性耐火性防音性といった性能が変わります。
構造は次の4種類に分けられ、それぞれ材料が異なります。

  • RC造
    「Reinforced Concrete」の頭文字を取った言葉がRC造です。鉄筋コンクリート造と呼ばれ、構造はコンクリートになります。
  • SRC造
    「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取った言葉がSRC造です。鉄骨鉄筋コンクリート造と呼ばれ、構造は鉄骨と鉄筋コンクリートを合わせたものになります。
  • S造
    「Steel」の頭文字を取った言葉がS造です。鉄骨造と呼ばれ、構造はH形鋼や角型鋼管などの鉄骨です。
  • W造
    「Wood」の頭文字を取った言葉がW造です。木造と呼ばれ、構造は木です。

各構造の建築数について

令和2年度の国土交通省による「建築着工統計調査」を見ると、全国の建築物の数は約53万であり、そのうちの40万は木造の建築物です。
75%以上が木造、次いで18%が鉄骨造2.5%がRC造0.1%がSRC造と、建築物の数としてはコンクリートを使用した数は数%となっています。

一方、延べ床面積で比較した場合は114,299,670㎡のうち木造は43.5%鉄骨造は35%RC造は19%SRC造は1.7%という内訳です。
そのため木造は戸建てなどの戸数が多く、コンクリートを使用した建設物は大きな建物が多いという結果がわかります。

参考)建築着工統計調査 | 政府統計の総合窓口 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00600120&tstat=000001016965

RC造(鉄筋コンクリート)


RC造はコンクリートと鉄筋を組み合わせた構造でありラーメン構造」、「壁式構造」などの工法があります。
マンションや病院など幅広い建物に用いられる中、以下のような特徴やメリットがあります。

特徴、耐用年数

RC造の建物の耐用年数は47年で、コンクリート自体の寿命は海岸など劣化しやすい状況下だと50年程度良い状況の場合は100年程度とされています。
RC造は様々な建物に採用され、大きな商業施設に用いた場合は柱どうしの間隔を広く取ることができます。

RC造はまず、型枠と呼ばれる木などの枠にコンクリートを流し込んで固まるのを待つことで完成します。
その際に内部に鉄筋を組み上げておくことで引っ張る力に強いコンクリートになり、地震などの揺れに強くなるのが特徴です。
この現場打ちコンクリート以外にも、以下のような材料があります。

ALC、PCについて

RC造においてコストや施工期間の短縮のためALCPCが使用されることもあります。
ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concreate)は軽量気泡コンクリート、PC(Precast Concrete)プレキャストコンクリートと呼ばれています。
どちらもあらかじめ工場で製作した上で現場に運ばれ、壁として設置していくコンクリート材料です。

マンションの建設に用いられる例として、隣室同士を隔てる壁はコンクリートと鉄筋を組み合わせた強固で厚い壁にし、玄関やバルコニー側の壁をALCにします。
それにより、窓やドアの取り付けがスムーズになり、あらかじめ工場でタイル仕上げまで済ませることで施工期間が短縮できます。
現場打ちコンクリートを減らすことで、マンション一棟の工期が数ヶ月短くなる場合もあります。

メリット

鉄骨や木と異なり、コンクリートは型枠次第で自由な形状に固めることができます。
そのため、アーチのある外壁にしたり、打ちっ放しのコンクリートをそのままデザインに取り入れたりできるのがメリットです。
また、コンクリートは頑丈で音を遮り、不燃素材であることから耐震性防音性耐火性もあります。
柱・梁で構成される「ラーメン構造」が一般的に使われますが、「壁式構造」は梁を用いず天井が高く保てるという良さがあります。

デメリット

RC造を建設するにあたり現場打ちコンクリートは固まるまでの期間を要するため、工期が長くなるのがデメリットです。
また、コンクリートは他の構造よりも重量があるため、S造や木造が建設できる土地でもRC造は建設できない場合があります。
地盤が弱く、建物の重さに耐えきれないで沈下する恐れがある際には、地盤改良や杭の打設が必要になるためコストが高くなります。
そのため、31メートルを超える超高層マンション等の建設には向きません。

SRC造


SRC造は鉄筋コンクリートの柱にH型の鉄骨やコラム型の鉄骨を入れることで両方の良い所を兼ね備えた構造です。
建設時に採用する場合の特徴やメリットを説明します。

特徴、耐用年数

SRC造の建物の耐用年数はRC造と同様で47年です。
RC造やS造と兼用して用いることで大型ショッピングモール付きの複合施設や超高層マンションにも用いられる構造です。

メリット

RC造だけの構造よりもSRC造の方が建物が軽くなるため、超高層マンション複合施設に用いられやすいです。
特に複合施設において商業施設や医療機関などで構成される下層階にはSRC造を採用し、それより上のオフィスビルにはS造を採用するという設計が用いることがあります。
S造のみの構造では強度が足りず、RC造だけでは建物が重くなりすぎるという場合にSRC造を上手く組み込めるのがメリットです。

デメリット

コンクリートと鉄骨を組み合わせる設計は構造計算などを念入りにしなければならず、施工時の工程も複雑になります。
そのため、RC造やS造のみの建物よりもコストが高くなるというデメリットがあります。
SRC造は一年の建設される建築物のうち1%ほどなので、設計や建設に対応できる建設会社は少ないのも難点です。

S造


小さな店舗やホームセンターから、住宅にも採用されるのが鉄骨造です。
どういった特徴やメリットがあるかを説明します。

特徴、耐用年数

S造の建物の耐用年数は次の通りです。
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下)は19年、軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下)は27年、重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超)は34年です。

鉄骨造はしなやかさがあってコストも低いことから小さなお店や戸建てに用いられます。
また、軽量鉄骨と重量鉄骨に分けられるのも特徴です。
鋼材の厚みが6ミリ未満の鉄鋼を軽量鉄骨といい、ハウスメーカーのプレハブ住宅、小規模店舗の建設に使われます。
鋼材の厚みが6ミリを超える鉄鋼は重量鉄骨といい、天井を高くとりたい場合や外壁に設置する窓や開口を大きく設けたい店舗や住宅に使われます。

メリット

S造は工場から現場に運ばれたH鋼などの鉄骨をボルトで固定したり、溶接したりすることで柱や梁にしていきます。
柱や梁に現場打ちコンクリートを使わない分、工期が短くて済むのがメリットです。
ホームセンターなどのワンフロアが広い建物の場合、重量鉄骨を使用することで柱の本数を減らして店内を広く見せることができます。

デメリット

鉄骨はコンクリートほど耐火性は無く、耐火被覆材を多く使用するとコストがかかるというデメリットがあります。
また、重量鉄骨を多く用いた場合は建物全体が重くなるため、強固な地盤が必要になります。

木造


古くから日本の建物は木造建築が主流で、住宅やアパート、小さな商店などに用いられてきました。
木造の材料となる木にはどういった特徴やメリットがあるのかを紹介します。

特徴、耐用年数

木造の建物の耐用年数は22年です。
建築の方法として木造軸組工法在来工法)」、「ツーバイフォー工法枠組み壁工法)」が挙げられます。
木造は1~3階建ての戸建てや賃貸向けのアパート、神社やお寺に用いられ、柱や梁をRC造やS造にし、壁や床を木造にするという手法もあります。
他にもコンクリートや鉄骨に比べて資源の再利用がしやすいことから、国土交通省が推進しているという背景もあります。

メリット

木造は他の構造よりも対応できる工務店が多いためコストを抑えられ自由度が高い設計ができるというメリットがあります。
また、木は湿度を調整することができ、木特有の豊かな香りがあるという良さも挙げられます。
施工時においてもコンクリートや鉄骨よりも木は軽いため、山の奥地や入り組んでいる土地でも材料が運びやすいという良さがあります。
山あいにある戸建て、寺・神社を施工する場合に欠かせません。

デメリット

木造のデメリットは他の構造に比べて耐久性や耐火性が低いことが挙げられます。
害虫に蝕まれないためにもメンテナンスは必須です。
耐火性は近年開発が進み1時間耐火構造などに対応できる材料も増えましたが、その分コストが上乗せされるのがデメリットです。

総括


RC造、SRC造、S造、木造の性能や建築コストの違いを以下の表にまとめました。
構造ごとにメリットやデメリットがありますが、建物や用途に応じて構造を選ぶ場合が多いです。

耐震性 防火性 防音生 建築コスト
RC造 高い 高い 高い やや高い
SRC造 高い 高い 高い 高い
鉄骨造 やや高い やや高い 普通 普通
木造 普通 普通 やや低い 低い

防音性が最も低いのが木造で、高いのがSRC造・RC造です。
基本的に音を遮るための床や壁を厚くできるコンクリートの構造の方が高いと言えます。
ただし、木造や鉄骨造でも防音素材を用いることで遮音性を高めることができますので、建築コストとの兼ね合いを考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ


建物の構造のうち、鉄筋コンクリート造の建物は柔軟な設計ができて耐震性や防火性などが高く、大きな建築物にも適しているのが特徴です。
しかし、地盤がしっかりしていないと建物が傾く恐れもあるため、入念な調査と設計が必要になります。
建築コストが比較的高めとなるRC造を用いるべきか、S造やSRC造の方が適しているか設計前に比較しなければいけません。
各構造は毎年、新しい材料や設計も提案されていますので情報を得るようにしましょう。

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