工事監理とは?工事管理との違いや仕事内容などについて徹底解説!

建築物を建てる作業は発注者、設計者、施工者そして監理者という立場の人達で成り立ちます。
発注者はもちろん建設を依頼する人です。設計者は建築物の設計を行う人、施工者は建築物を実際に施工する人です。

では監理者とはどういった立場でしょうか。

今回は監理者の仕事のひとつである工事監理について解説していきます。
工事管理との違いや工事監理に必要な資格など、徹底的に解説します。

工事監理とは?


工事監理とは簡単にいうと、発注者に代わって建設中の建築物が設計図書通りに施工されているのかを確認する立場の人を指します。

建築物には完成してからでは見ることが出来ない隠蔽部(いんぺいぶ)という箇所が存在します。
発注者が施工完了まで見続けるわけにもいきませんので、施工者ではない、第三者機関によって、施工の節目ごとに確認検査を行います。

施工者を信頼していないわけではなく、工事規模によって配置することが建築基準法により定められています。

工事管理との違いとは?

工事監理とは別に工事管理という立場も存在します。呼び方はどちらも「こうじかんり」ですが、立場は全く違います。

先ほど工事監理の仕事は発注者の代理人として建築物が設計通りに施工されているかの確認を行う立場であると記載しました。

では工事管理とはなんでしょうか。
工事管理は現場の代理人で、施工の一切の責任を負う現場の責任者という立場です。
いわゆる施工管理で、主任技術者や監理技術者などがこの立場になることが多いです。
現場の工程管理や品質管理、安全管理などを主に行い工程通りに品質を保ち、かつ、安全に施工を進めていくために必要な立場となります。

よって違いは、工事監理とは発注者の立場で建築物が設計通りに施工されているかを確認する立場で、工事管理とは施工者の立場で実際に工事を進めていく過程を管理する立場です。

工事監理者が必要な現場規模

工事監理者が必要な現場規模は建築基準法により定められています。

現場規模が階数2以下かつ延べ面積が100㎡以下の木造建築物に限っては工事監理者の配置は不要となります。
しかし現代のほとんどの建築計画では建築士による工事監理者の配置が必要です。

具体的には下記の規模の該当する場合に建築士の有資格者による工事監理者の配置が必須です。

  • 学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーデイトリアムを有しないものを除く。)又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が500㎡をこえるもの
  • 木造の建築物又は建築物の部分で、高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超えるもの
  • 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、煉瓦造、コンクリートブロック造若しくは無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が300㎡、高さが13m又は軒の高さが9mをこえるもの
  • 延べ面積が1000㎡をこえ、かつ、階数が2以上の建築物

上記のようにほとんどの建築物の建設には建築士による工事監理者の配置が必要です。

工事監理者の仕事内容


工事監理者は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
ここからは工事監理者の仕事を5つに分けて解説します。

1.設計通りに施工がなされているかの確認

工事監理者の最も大切な仕事といえるのが建築物が設計通りに施工されているかの確認を行うことです。
先ほども述べたように建築物には施工が進んでいくにあたり、完成してしまっては確認のしようがない箇所が存在します。
そのため、施工の節目ごとに検査を行います。
配筋検査や建方検査や中間検査、竣工検査など工事監理ガイドラインに沿って検査を行い、設計通りでない場合は施工者への指導監督を行います。

2.定例会議への出席

定例会議とはほとんどの現場で行われている設計、施工者、監理者や施主などが出席する会議で、現場の進捗の確認と共有、問題点の提示、問題に対する解決策の方向性の決定などを円滑に行う目的で行われ、主に1週間に1回程度で頻度で開催されます。
工事監理を請け負う上で定例会議の出席はとても重要です。

3.設計変更に伴う発注者への報告、調整

工事には必ずと言っていいほど当初の予定通りには進まない状況になります。
その場合には、当初の設計を変更し、施工を行わなければなりません。
当然コストや工期にも変更が必要となることもあるため、そういった場合に工事監理者は発注者への説明をし了承をもらうことが必要となります。

4.消防検査への立会い

建物を実際に運用するには、その地域管轄の消防署による消防検査を行わなければなりません。
消防法に違反した施工がなされていないかを確認するための防火を目的とした検査です。

工事監理者は消防検査の際には立会いを求められることが多いです。

消防検査は完了検査を行う前に受検しておかなければなりません。
よってスケジューリングもある程度検討をしなければなりません。

5.工事監理報告書の作成、提出

工事監理者は建築物の工事監理が完了した際に工事監理報告書を速やかに発注者に提出をしなければなりません。
内容は工事完了の表明と工事に当たっての設計変更の有無や施工を行う上で注意した事項、建築物が設計図書通りに施工されたことの証明などが必要となります。

工事監理者の立ち位置

1.工事監理者の選定

まずは、発注者による建築意思を決定することで建築は始まります。
発注者は建築のイメージを選任した設計者により図面化をさせます。この段階で発注者は工事監理者を選任します。

2.施工者の選任

設計者と発注者でのすり合わせを行い、実施設計が完了すると発注者は行政に建築確認申請を行い施工者を選任します。

3,着工へ備える

この間に工事監理者は設計者と打ち合わせを行い、設計図書の読み込み、設計意図の汲み取りを行い、着工に備えます。
施工者が決まればいよいよ着工です。

ここからいよいよ工事監理者のメインの仕事である設計図書通りに施工が進んでいるかを第三者の目から監理していくこととなります。

このことからも分かる通り工事監理者は常に実際に設計や施工を行うのでなく常に第三者の立場として現場を見ることで責任を負いつつも客観的に判断を下すことができる立場にあるのです。

工事監理ガイドライン


工事監理という仕事内容については先ほど解説を行いましたが、実は明確に行う業務が定まっているわけではありません。
そこで参考となるのが工事監理ガイドラインです。

工事監理ガイドラインは平成21年度に国交省から策定されたもので、主に設計図書と工事との照合及び確認を行う上で合理的方法を例示したものです。

強制力があるわけではなく必ずしもガイドライン通りというわけではありませんが、現場での工事監理を行う上での要点が詳細に記されており、指針となります。

目的や内容

工事監理ガイドラインが策定された背景には平成17年度に発生した耐震偽造問題以降建物の安全性や建築士制度に対する国民の信頼を回復することを目指した背景があります。

内容は工事監理を行う上での具体的な確認すべき事項などがまとめられたもので、実施の強制力はありませんが、準じることでより適正な工事監理を行うことが可能となる内容となっています。

工事監理者になるためには


工事監理者は発注者から選任されれば誰でもなれるわけではなく、必要な資格や経験があります。

建築基準法により工事監理者となることが出来るのは小規模な建築物を除いて建築士の資格が必要です。
また建築士の資格にも「一級建築士」、「二級建築士」、「木造建築士」のおよそ3種類があり現場規模により必要な資格が変わってきます。

資格別工事監理可能建物規模

工事監理に必要な実務経験

工事監理に必要な実務経験というものは定められておりません。
これは必要資格である、建築士の資格が工事監理を行う上での十分な知識を有していると判断されているからだと言えます。

まとめ


今回は建築物を工事する上で欠かせない工事監理について解説しました。

より品質のよい建築物にするためにとても重要な立場である工事監理者ですが、工事をする側からは「工事監理の存在は知っているがなんのためにいるのか分からない。」といった意見も多いのが実情です。

この記事によって工事監理者の立場を理解し、存在を意識することでより一層の品質のよい施工が出来るきっかけとなれば幸いです。

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