施工管理技士補について徹底解説!〜制度創設背景や5つの資格取得メリット〜

施工管理技士の資格は建築や土木を問わず、毎年取得者が多い資格です。
加えて令和3年から施工管理技士補という制度が新たに設けられたことで資格取得を目指す人が増え、働き手の確保や資格取得者は施工現場における業務の幅が広がるようになりました。
今回は施工管理技士補についての概要やポイントを紹介します。

施工管理技士補とは

令和3年4月1日から建設業の就業者促進や生産性の向上の確保のため、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の一部が改正されて、各種施工管理技士の試験で施工管理技士補が確立しました。

制度の創設と見直しの内容は下図の通りです。

引用)「新・担い手三法について」建設産業・不動産業:新・担い手3法(品確法と建設業法・入契法の一体的改正)について – 国土交通省

これまで、施工管理技士の試験は学科試験実地試験に分かれており、両方の合格を経て資格が得られるという仕組みでした。
これが令和3年の4月から学科試験は第一次検定実地試験は第二次検定という名称に変更され、第一次検定に合格した者には級や種目の名称を踏まえた「技士補」の称号が与えられるようになりました。

例えば、1級土木施工管理技士第一次検定に合格すれば「1級土木施工管理技士補」となり、第二次検定に合格すると「1級土木施工管理技士」となります。
これにより、施工管理技士補の資格を得ることで責任のある立場を担い、施工現場でさらに経験を積めるようになりました。

施工管理技士補の背景

建設業就業者数は55歳以上が約3割、29歳以下が約1割と高齢化が進行し、入職者が減少しており、離職率も高いのが現状です。
そのため、職場環境の改善や技術者制度の見直しにより、若手が活躍しやすい環境づくりが進められています。
その中でも、各施工管理技士の試験における第一次検定の合格率が低く、資格取得者数が少ないのが問題でした。
第一次検定にあたる学科試験に合格しても第二次検定が不合格となり、再び第一次検定から受け直さなければならない人も少なくありません。
そうした背景や課題解決のために施工管理技士補という制度が設けられました。

施工管理技士補について押さえておきたいポイント5つ

施工管理技士補を取得できる資格の種類やメリットなど5つのポイントを紹介します。

種類

国土交通省は建設業法第27条に基づき、施工管理技士関連の検定を行っています。
技術検定は以下の7つがあり、試験の開催は(一財)全国建設研修センターなどが年に1回行います。
2級よりも1級の方が合格率が低く、難易度も高いため勉強する時間を一定程度確保する必要があります。

  • 土木施工管理
  • 建築施工管理
  • 電気工事施工管理
  • 管工事施工管理
  • 造園施工管理
  • 建設機械施工管理
  • 電気通信工事施工管理

技士への足がかりになる

これまでの施工管理の各種試験において学科試験に合格してから2年以内に実地試験に合格しないと資格取得ができませんでした。
国土交通省の「技術者の資質向上」に記載された集計によると、1級の施工管理技士の検定で第二次検定の不合格者が翌年も受験する割合は9割で、再度不合格だった場合の受験割合は2割以下です。
第一次検定と第二次検定に変更されてからは期間の制約が無くなり、第一次検定に合格して「技士補」を取得した後、しっかり勉強してから第二次検定に挑むことができるようになったため、施工管理技士への足がかりになりました。

人材の活用

現場の施工体制において監理技術者の負担が大きく、適正な施工が確保されているかどうかが問題視されています。
そのため、監理技術者を補助する補助技術者を1級の施工管理技士補が担えるように規制が合理化されました。


引用)「新・担い手三法について」建設産業・不動産業:新・担い手3法(品確法と建設業法・入契法の一体的改正)について – 国土交通省

上記のように施工管理技士補がいることで監理技術者は複数の現場を兼務できます。
また、今後も必要に応じて2級の施工管理技士補の活用の検討が進んでいます。

経営事項審査での加点になる

各資格の施工管理技士補は経営事項審査の技術職員として加点対象になりました。
経営事項審査における「技術職員数(Z1)」では、1級の施工管理技士補は「監理技術者補佐」という区分となるため1人4点が加点されます。
また、1級と2級の施工管理技士補は「社会性(W)」においてCPD単位や評価に換算されるため、企業は加点措置を受けるためにも継続的に施工管理技士補を必要としています。

モチベーションになる

施工管理技士補の制度ができたことで、試験にチャレンジする際のモチベーションが上がるというメリットがあります。
これまでは第二次検定に合格できないと資格が取得できなかったことから第二次検定を視野に入れた勉強も必要になり、第一次検定を受ける際のハードルが高かったです。
しかし、施工管理技士補の制度ができたことで、まずは第一次検定に合格するという中間目標ができたことでハードルが低くなりました。
これにより資格取得に対する勉強のためのモチベーションが上がり、名刺や履歴書などに施工管理技士補を書くことができるため達成感にもつながるようになりました。

新・担い手3法について

震災や津波、河川の氾濫といった災害により、建設業は「地域の守り手」として期待される一方で、長時間労働などの改善を含めた働き方改革が進められています。
また、i-Constructionなどの最新技術の推進をすることで生産性を向上させる等の新たな課題を含めた「新・担い手3法」が規定されました。
これは担い手3法の改正の品確法と建設業法・入契法の一体的改正が含まれており、働き方改革の推進、生産性向上への取り組み、災害時の緊急対応の強化に関する内容が規定されています。
その中で、建設業における技術者の規制の合理化により施工管理技士補の制度が確立されました。

引用)「新・担い手三法について」建設産業・不動産業:新・担い手3法(品確法と建設業法・入契法の一体的改正)について – 国土交通省

まとめ

これまで各種施工管理技士の資格は1級・2級問わず、2段階の試験に合格しないと意味をなしませんでした。
しかし、令和3年の4月から制度が変わって施工管理技士補という資格が確立したことで試験へのモチベーションが上がるようになりました。
まずは第一次試験の合格を目指して勉強し、第二次試験は実務経験を積んでからチャレンジすることも可能です。

そのため、若手の入職者や未経験で転職した人にとっても施工管理技士補の資格を中間目標として勤めることができます。
また、今後は「建設キャリアアップシステム」に施工管理技士補の登録が進むことでさらなる活躍の場が増えると考えられるため、会社から適正な評価を受けやすくなるのもメリットだと言えます。

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