コンクリートの「ワーカビリティー」とは?スランプとの関係性も解説!

建設の世界では欠かせない重要な素材としてコンクリートがあります。
コンクリートは乾いて固まると非常に強固な素材になりますが、施工する際は流動する粘性の流体です。
それを型枠などで囲い、形をとどめて乾燥させる事で自在な建造物を造形する事が可能になります。
本記事はそんなコンクリートの「ワーカビリティー」について解説します。

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ワーカビリティーとは?

ワーカビリティーとは、主にコンクリート工学での用語です。
コンシステンシーと材料分離抵抗性の程度によって定まるフレッシュコンクリートの性質であり、運搬・打込み・締固め・仕上げなどの作業に関わる作業性の良さを表しています。
ワーカビリティーとはコンシステンシーなどを要因とした、作業性の良し悪しを指していると考えると分かりやすいと思います。

コンシステンシーとはコンクリート工学での用語で、粘性のある物質に対して力が加わった際の、変形や流動に対する抵抗性を表しています。
「コンシステンシーが大きい」とはフレッシュコンクリートが固く、流動しにくいということを表します。
この事からコンシステンシーは、ワーカビリティーに係る要因の一つである事がわかります。

ワーカビリティーに関する単語

ワーカビリティーに関わるコンクリート工学での用語を紹介します。

プラスティシティー

プラスティシティーとは可塑性を表す言葉で、塑性とは一定の力が加わると連続して変形し力を取り除いても元に戻らない性質の事です。
型枠に流し込む事ができ、型枠を取り去った後ゆっくりと形を変えるものの崩れたり、分離を起こさないフレッシュコンクリートの性質を、可塑性としてプラスティシティーと定義しています。

コンクリートは型枠通りに材料分離せずに打設する事が重要になりますので、塑性すれば良いだけではないためこのような表現となります。

スランプ値

硬化前のコンクリートは粘性のある流体で、作業性だけを考慮すれば柔らかい方が施工性としては高くなります。
しかし柔らかすぎると硬化した際に強度が足りなくなります。
そのためコンクリートの硬さに対しての定量的な指標が必要になり、硬化前コンクリートの硬さについての値を示したものがスランプ値になります。

スランプ値は小さすぎても大きすぎても問題があり、そのためスランプ値は最大値が規定されています。
適切なスランプ値で施工する事が重要になります。

ワーカビリティーとスランプの関係

コンクリートの流動性は、スランプ試験で定量的に判断します。
そのためワーカビリティーを調べるためには、スランプ値は重要な指標となります。
スランプ値の高いコンクリートは型枠にスムーズに広がるため、施工性は良いですがコンクリートとしての「品質」が悪くなります。
スランプ値が変わることでワーカビリティーには大きな影響がありますが、コンクリートの品質を保つため施工性とのバランスが重要です。

ワーカビリティに影響を与える要因

ワーカビリティーに影響がある要因を7つ紹介します。

1.単位水量

単位水量とは、コンクリートの単位体積あたりに含まれる水分量の事です。
コンクリートに含まれる水分が多くなれば、コンクリートの流動性は増し粘度が下がり柔らかくなります。

その結果として施工性は高くなりますが、砂利などの骨材が沈下し材料分離が起こり不均一な状態となり、コンクリートの品質は低下します。

2.セメントの量

セメントを多く含むと、水分とは逆にコンクリートの粘度が上がり強度が高くなります。
またプラスティシティーも高くなります。

しかし固いパサパサなコンクリートとなり、型枠に打設する際に流動性が少ないため型枠通りに打設するのが難しくなります。
また骨材との練り混ぜも不均一になりやすくなります。

3.セメントの粉末度

セメントには粉末度があり、粉末度の高いセメントは粒子が細かく比表面積が大きいという事になります。
比表面積が大きいという事は、練り混ぜる水と接する面積が大きいという事であり強度発現が早いという事につながります。

早強セメントなどの水和が早いのは、セメント粒子が細かいという事も関連しています。

4.セメントの状態

セメントは空気中の水分から影響を受けたり、経年による劣化などにより異常凝結が引き起こされます。
こうした状態の悪いセメントを使用すると、ワーカビリティーは著しく低下し、さらにコンクリート品質も低下します。

5.練り混ぜの状態

コンクリートは砂や砂利などの骨材と、セメントに水などを加え練り上げて製造しますが、練り上げる工程での品質もワーカビリティーに影響があります。

十分な練り混ぜがされていないと不均一な状態となり、作業性や品質が著しく低下します。

6.骨材

骨材とは、コンクリートに練り混ぜる砂利や砂の事です。
骨材割合や骨材品質もまた、ワーカビリティーと品質に影響を与える要因です。

粗骨材割合が高くなるとワーカビリティーは低下し、材料分離の原因になります。
また細骨材割合が高くなると、作業性は上がりますが粘度が下がり強度が低下します。

7.混和材料

コンクリートに練り混ぜる骨材や水以外に、減水剤やフライアッシュなどの薬剤を投入する場合があります。
これを混和材料といい、少量の単位水量でも流動性の高い粘性のあるフレッシュコンクリートを製作する事が可能になります。

単位水量が少なく済むため材料分離が起こりにくく、そのうえワーカビリティーを担保する事が可能になります。

まとめ

コンクリートはその自由度の高い創造性と、高い強度から現代建築にはなくてはならない存在です。
コンクリートの施工性を高める事と、強度や品質を高める事は相反する側面と性質が存在します。
また適切な配合や粘度でなければ、コンクリートの強度が低下してしまいます。

ワーカビリティーを高めると同時に、適切な施工計画と材料品質も重要になるのです。
コンクリートについて学ぶという事は、現代の建設においてはまさに「基礎」を学ぶという事につながるのではないでしょうか。

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