左官工事とは?概要や種類、目的について解説!

建物の壁や床などを、コテで塗り仕上げる左官工事。古くから日本人の生活と密接に関わってきており、今もあらゆる建物や建設現場で取り入れられています。
リフォームなどの際に、皆様も一度はこの工事名を聞いたことがあるのではないでしょうか?

今回はそんな左官工事の内容や必要とされる理由、工事を行う職人についても併せて解説していきます。

左官工事とは


左官工事とは建物の壁や床、階段などを、土やセメントモルタルなどの素材を使ってコテで塗り仕上げる工事です。
外装・内装の仕上げとなる作業も有りますが、ほとんどの建設現場では「下地をつくる」という作業が中心になります。

左官工事はなぜ必要?

人件費や工期の面から近年では減少傾向にある左官工事ですが、一方で自然素材などの機能面職人の技術が再評価されています。

調湿効果や耐火性と洗練された技術はどの時代にも求められており、今後の私たちの暮らしにとっても欠かせないものなのです。

左官工事の内容

左官工事と聞くと、一軒家や建物の壁を塗る作業と想像するかと思いますが、実際には下地塗りが大半を占めており、建物の竣工時に表には出ないものとなります。
左官の仕事は、施工現場で塗材を作って塗り上げるまでのすべての作業を行うのが特徴です。

下地造り

左官の仕上げは下地に左右される為、非常に重要な作業です。

下地の構成が悪いと仕上げ時に入念に作業をしても、壁面に欠陥が生じてしまいます。
また、下地が弱く剛性がないと、強度のある塗り材は使用できなくなってしまいます。

その為仕上げをする前に特に下地の点検を行い、欠点があれば補正を行います。

塗り仕上げ

壁などの表面にコテなどを用いて、塗って仕上げる作業です。
仕上げに用いられる主な素材には漆喰、土、砂、プラスター、珪藻土などがあります。

戦後以降、作業効率や費用面を理由に、クロスなどの左官材料に代わる新建材が使われるようになりました。しかし近年、従来の材料が持つ素材感や魅力が再認識されてきています。

それぞれの種類や特徴を以下で解説していきます。

漆喰

消石灰(石灰石を焼いて水を加えたもの)に、砂や糊などを加えて水で練り上げたものです。

【特徴1】 メンテナンスのしやすさ
主原料の消石灰は、静電気をため込まない性質を持っており、ほこりやゴミなどが付着しにくいです。メンテナンスがしやすく、経年劣化が進みにくいことが特徴です。

【特徴2】 調湿作用
漆喰には、細かな穴がたくさん開いており、この多孔質な表面で湿気をコントロールします。湿度が高いと余分な水分を吸い取り、湿度が低いと水分を放出するという湿度調整機能を持っています。
どの時期でも適切な湿度を保ってくれるのが特徴です。

【特徴3】 燃えにくい
建築基準法内でも不燃材料として認められています。失火した場合でも、火が部屋の中全体に燃え広がりづらい特性を持っています。
また、失火時にも自然素材である為、有毒ガスの発生する可能性が極めて低くなります。

同じ土でも、種類や配合・左官の仕上げ方によって、さまざまな仕上がりになります。
ざらざらした質感が一般的ですが、つるつるになるまで磨いたものや、明るい色から落ち着いた色などバリエーションは豊富です。
土という材料から、調湿作用・防火作用・蓄熱作用・防音作用にも優れています。

色砂を糊で練った材料です。一般的に和室や茶室などに使われます。
土壁では使用されない、天然砂・砕石・金属粉・色ガラス粉・貝殻粉などが使用される為、滑らかな仕上がりになるのが特徴です。

珪藻土

珪藻という植物プランクトンの死骸が沈殿して化石になった土のことです。
環境にも人にもやさしい自然素材であり、耐火性にも優れている為、一般的にはリビングなどの内壁に使用されます。

【特徴1】 調湿作用
調湿作用に優れており、人間にとって快適と言われる湿度40~60%を自動で保ちます。調湿作用で比較される漆喰よりも調湿性能が高い場合も多くあります。

【特徴2】 脱臭・消臭作用
特徴1の湿気を吸収する働きにより、匂いも同時に消されます。
臭い分子は空気中の水分子(=湿気)に溶けるので、元となる湿気を除去することで、脱臭作用も併せ持つことが特徴です。

【特徴3】 様々な色合い
漆喰は白色系のものが多い一方、珪藻土では顔料(着色料)を混ぜることで白色系以外の様々な色合いを出すことが可能です。

プラスター

石灰または石膏を主材料とした塗装材料で、平滑で純白の仕上がりが特徴です。
プラスターの中には、石膏プラスター塗とドロマイトプラスター塗があります。

施工現場


左官工事の施工現場は規模によって分類されます。

町場 個人の木造住宅や店舗
半野丁場 3~4階までの建築物
野丁場 中~高層マンションやビル、ショッピングモール

左官工事に欠かせない道具「コテ」


最も重要な道具は何と言ってもコテです。

コテは、用途により数百もの種類があり、一つの工事の為に特注でコテを作ることもあります。
職人によるコテの使い方によって、立体感や質感などオリジナリティのあるデザインが表現できることも魅力です。

左官工事では、一見単純な作業でもプロと素人の差が如実に表れ、コテさばきが実力を計る大きな指標となります。

左官職人になる為には


左官になる為の特別な資格は必要ありませが、一人前になるまでには少なくとも5年~7年程度掛かると言われています。
コテで塗る作業は一見単純な作業に見えます。しかし、実際は下地を塗って中塗りを重ねて乾燥させ、さらに上塗りで壁表面を仕上げており、高度な技術が求められます。
その他実際の現場では塗る作業以外に、レンガやブロック積み、セメント運びや材料を練る作業等、体力も求められます。

なお、左官には技能の高さを証明する国家検定制度があります。
左官職人としてキャリアアップを目指している方の多くが、仕事の傍ら資格取得に取り組んでいます。

左官技能士(国家検定資格)

受験に必要な実務経験年数

1級 7年以上
2級 2年以上
3級 半年以上

※ 受験に必要な実務経験年数は学歴や職業訓練受講歴等に応じて短縮されます。

まとめ

表面的な魅力から目に見えない部分まで、色々な建物で必要となる左官工事ですが、近年では工期や施工性の面から乾式方法に押され、活躍する場は減りつつあります。

しかし、左官工事ならではの魅力は古来から日本人に馴染み深く、職人の卓越した秘術も日本の建設業の能力の高さを表しています。
左官の高齢化が進んでいることからも、新たな左官の担い手や左官業者が必要とされているのです。

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